仕事をすることはガマン料と言えるのか?

僕は、妙な自信はあってもいいと思うほうですが、過度な自信は持たないようにしています。僕の場合、調子に乗るとろくなことがないと、経験で知っているからです。

人間どんなに頑張ってもできることはできるし、できないことはできないと思っているので、奇跡を期待して動くこともしません。それでも今日に至るまでやってきたこともそれなりにありますし、出来上がった成果物は紛れもない実績ですので、それはそれで自分の力だと認めるようにもしています。

「仕事とはなにか?」という問いに、「責任を果たすこと」と答えた人の投稿をあるメディアで見ました。これについては「なるほど、短い答えながらこの言葉にすべてが詰まっている」ような気がしました。たしかに、同意します。

一方で「仕事はガマン料」と答えもありました。同じ人の言葉だったのですが、これについては同意もしますが「そうとも言い切れない」と思っています。

同意する自分はウェブの仕事を始める前の自分で、そうとも思わない自分は今の自分です。

いくつかの職種を渡り歩きながらとうとう自分の居場所が見つからなかったサラリーマン時代の自分にとって、会社は楽しい場所ではありませんでした。仕事が嫌いというよりは、その会社そのものが好きではありませんでした。毎朝憂鬱に出社して、帰りはいつも夜遅くでした。週末の休みと給料日だけが楽しみでした。

たしかにこのときいただいていた給料は、ガマン料だったと言えるかなと思います。お給料のためだけに頑張る、みたいな。

でも、そんな仕事の感覚は、開業してから一転しました。初めは好きかどうかも分からずにほとんど泣きながら始めたウェブ制作でしたが、実績とともに段々自信もついてきて、仕事が好きになっていきました。忙しいけれども自分でコントロールできるこの働き方も、自分には合っているようで気に入りました。

メンタルヘルスを維持するために、嫌な仕事や炎上案件間違いなしという依頼は、お断りしています。もともと打たれ弱いし、なるべく我慢をしないように。我慢してイヤイヤする制作は楽しいわけがないし、出来上がる成果もイマイチな感じになるのは目に見えていますので、お客様のためにもそうしています。

逆を言えば、自分で責任を持てる仕事だけをお受けしているということなのですが、僕が責任を果たすためにはこの働き方が大切なんだと受け入れています。

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