今日は大学授業の日。オンライン授業はまだまだ続きます。それでも北海道の感染者は段々少なくなってきていますので、予定通り緊急事態宣言が明けるのかもしれませんね。さすがにそろそろ収まることを願っています。
僕の授業では、とにかく「今使えること」そして「実践できること」や「トレンドだけではない未来に通じる知識や技術」に重点を置いて、教えるように心がけています。授業では、個人の武勇伝など何の価値も持たない。そう思っているからでもあります。今日はそんなことにまつわることを、つらつらと書きたいと思います。
オッサンの武勇伝は不滅というオッサンだけの神話
あらゆることの流れの速さを感じる今の時代に、歴史を背景に過去の栄光ばかりを語っても仕方ありません。オッサンの武勇伝が、有益なコンテンツになるなんて思っているのは、もはや過去の功績にすがるしかないオッサン達だけです。そんなオッサン連中に「今はどうなの?」と聞けば、新しい発想は何もなく、輝いていたあの頃に思いを馳せるしかない、そんな人も見かけます。
さて、そんなオッサンの武勇伝を、一方的に聞かされる若者はどう思うのでしょうか?おそらくは、「我慢の時間」「苦痛の時間」ということでしかないでしょう。「俺の苦労話と根性論から学べ」などと頭で考えているオッサンどものヨタ話は、誰の記憶にも残らず、そもそも耳の中に入るパワーすら持ち合わせていません。
悲しいかな、これが現実です。
そんな話で若者が動くわけがない
それでもFacebookでしか居場所を見いだせないほど承認欲求の強い一部の人たちは、ひたすら自分の過去の栄光をシェアし、いいねがつくのを待ち続けます。25年以上も前に今をときめく一流企業の創業者だったとか、その現役時代にいかに大暴れしたかという話をしたところで、その話はいったい誰得でしょうか?もはや、そこから若者が学ぶことは、話している本人が思うほど多くはありません。
それはそうです、時代が違いますからね。そもそもスマホすら普及しきっていなかった時代の成功体験を聞かされたところで、あらゆる環境が違いすぎて同じことをできるわけがないし、若者からは「それは大変でしたね。お疲れ様でした。」と言われて終わりです。
オレの話はすごいというオッサンの思い違い
それでも承認欲求系オッサンたちは、「自分の経験話から学べることはある」と信じたいし、「そこから学べてこそ本物だ」「この話にはどんな時代にも通じる大事な要素があるんだ」「学べないオマエたちが悪い」「ただ聞くのではなくもっと頭を使え」などと言いたくて仕方がない。
僕も同じオッサンとして、その気持ちの1%くらいは分からなくもないですが、実際にそれを若者の前で言ってしまうと一同ドン引き間違いなし。その場で、あまりに残念な人確定となってしまうのも知っています。
だから、そんなことは口が裂けても言いません。
そんなオッサンを持ち上げるオッサンも悪い
承認欲求系オッサンを取り巻くのは、一定数の取り巻きオッサンだけです。そして、オッサン同士で持ち上げて、せっせとあちこちに武勇伝発表会の会場を作ろうとします。うっかり「それカッコ悪い」などと否定しようものなら、仲間から外されてしまうかもしれません。だから寂しがりやの取り巻きオッサンは、お互いを肯定し続けます。そのうち、肯定派の意見にしか耳を傾けなくなります。こうしてオッサンたる人たちの視野は、ドンドン狭まっていきます。
「なんでもオレは知っている」つもりでも、若者たちから見れば、十分「情弱」です。
若いつもりでもオッサンはオッサン
語弊を恐れず言えば、実際40歳過ぎたらもう十分オッサンであり、ほとんどの人が老害という部類に含まれると僕は思っています。僕も含めて。そして、老害は誰もが避けられない道だとも思っています。
歳は誰でもとりますし、ジェネレーションギャップはどの時代にもあります。「40歳になっちゃった」とか「もう50歳だ」とか言ったところで仕方ありません。それよりも自分の歳を受容して、そのときの自分でできることを考えることの方が、きっと大切なはずです。
その上で若者と向き合い、受け入れることは受け入れて、認めるところは認めるということなのかなと。けして媚びるのではなく、次の世代にタスキを渡すくらいのつもりで、いろんな意味で応援することだと思います。
オッサンもコロナ禍で価値観を再編する
まだまだコロナで大変な世の中ですが、こんなときだからこそ、自分がこれまで温め続けてきた価値観を見直す良い機会なのかもしれません。僕も一人のオッサンとして、またウェブデザインの授業を通して若者の未来に希望を託す一人の人間として、価値観の再編が必要です。
今、ますます古い概念を捨てて、新しいスタイルを受け入れなければならない時代に来ています。そして、こんな時代においては、「しなやかな感覚」こそが大切だと。
僕も、この時代を生き抜くスタイルとして「しなやか」に進んでいきたいと思っています。